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2023年3月1日で、FP(ファイナンシャル・プランナー)として開業して8周年を迎えることができました。零細の一人事務所でありながらここまで続けてこられたのは、相談や執筆などさまざまなご依頼をくださった方々や、親交のあるFPの皆さまのおかげです。この場を借りてお礼を申し上げます。
今回は、これからFPになりたい人やFPとして独立したい人に向けて、FPが活躍できる仕事にはどのようなものがあるかをご紹介します。私がこれまであまり手掛けてこなかった仕事については内容が薄くなりますが、そのあたりはご容赦ください。
1.FPの業務は主に「相談」「講演」「執筆」
FPが活躍できる仕事を業務の種類でみると、主に「相談」、「講演」、「執筆」の3つに分類できます。
- 相談:一般の個人の相談、会社の従業員の相談 など
- 講演:一般の個人に向けたセミナーの開催、企業などの研修の受託 など
- 執筆:書籍の執筆、新聞・雑誌への寄稿、ネットコンテンツの執筆・監修 など
これからFPになろうと思う人は、恐らく相談業務を行うことを中心に考えておられるかもしれません。私もそうでした。現にFPとしての業務の割合をみると、相談が最も多く、次いで講演、執筆の順となっています(日本FP協会「2021年度ファイナンシャル・プランナー実態調査」より)。しかし、仕事の経験を積んでいくうちに、講演や執筆に軸足を移すFPもいないわけではありません。
このあと「相談」、「講演」、「執筆」について、それぞれの業務の内容をご紹介します。
2.相談~聞く姿勢も大切~
FPの相談業務は、個人のお客さまの生活とお金に関するあらゆる相談に応じます。企業などから依頼を受けて、そこに勤務する従業員の相談に応じるケースもあるようです。
具体的な相談内容の例はおおむね次のとおりですが、内容は多岐にわたります。
- 子育てや教育にかかるお金の相談(子どもを私立学校に通わせたいが家計への影響が知りたい など)
- 家の購入の相談(いくらぐらいの物件なら無理なく買えるか など)
- 家計の見直し、保険の見直し など
相談の方法としては、1回~数回の面談で問題の解決を図るほか、顧問という形で中長期的にサポートするケースもあります。面談は自分の事務所で行うほか、お客様の自宅など指定の場所に出向く場合もあります。コロナ禍を経て、リモートで面談を行うFPも増えているようです。
FPの相談は業務である以上相談料(報酬)を頂きますが、お客さまから頂く相談料のほか、金融商品や保険、不動産などを紹介して受け取る手数料(コミッション)を収入の柱にしているケースも多いです。今は、お客さまからの相談料だけで運営できているFPは少数派と言ってよいでしょう。
個人的な意見ですが、FPの相談業務では、専門家として最適なプランを提案するだけでなく、お客さまが直面している困りごとを引き出す技量も求められます。話す姿勢以上に聞く姿勢も大切だと思います。面談を通して、お客さま自身が気づいておられない問題点を引き出すことができればよいでしょう。
3.講演~FP資格の講師という選択肢も~
FPの講演業務は、セミナーなどを通じて生活とお金に関する知識や情報を広く伝えます。相談業務につなげるために行うほか、FP自身の知名度向上のために行う場合もあります。企業などから従業員の研修を請け負うケースもあるようです。
たとえば、次のようなテーマでセミナーを行うことが多いですが、これら以外に自身が得意とするテーマがあるとよいでしょう。
- ライフプランの考え方、家計の見直し方法などの解説
- iDeCo、NISAなど社会保障、資産形成にかかわる制度の解説
- 児童・生徒向けの金銭教育
このほか、世の中にはFPに相談したい人だけでなく、FPになりたい人(FP資格を取りたい人)も多いことから、FP資格の講師という選択肢もあるでしょう。
4.執筆~専門家の視点が求められている~
FPの執筆業務は、書籍の執筆や新聞・雑誌への寄稿などを通じて、生活とお金に関する知識や情報を広く伝えます。講演と同様に、相談業務への入り口や知名度向上のために行われることもあります。その場合は、自らブログやメールマガジンを立ち上げて記事を掲載することもできます。
近年はインターネット上のメディア(Webメディア)向けの執筆が増えるなど、執筆業務で活躍できる分野は広がっています。自身で執筆するほか、他の人(FPではないライターなど)が書いた記事を監修する業務もあります。
FPとして一般の方に向けた記事を書くのであれば、難しい内容をわかりやすく伝えることが求められます。一方、記事の専門性や信頼性を保つため、執筆する内容については正確に理解しておく必要があります。そのため、書くことよりも調べることに時間をかけることになります。
執筆の業務は、自らWebメディアに応募するほか、クラウドソーシングサービスを利用して探すこともできます。
原稿料は、初めは低くても仕方ありませんが、専門性を評価してもらえると引き上げは十分可能です。個人的な感覚ですが、金融関係(特に消費者金融やカードローンなど)や不動産関係の専門性は、需要が高いように見えます。
執筆業務は、他の業務よりオンラインで完結できる割合が高く、地理的な影響を受けにくいという利点があります。
ただし情報発信という点では、文字で伝えるよりも、動画で見せる需要が増している雰囲気が感じられます。さらに言えば、AIの進化で記事の執筆という業務がなくなるかもしれないという懸念があります。仮にそうなれば、FPは専門家の立場でAIが作成した記事を監修するようになっていくのではないかと思います。
AFP・CFP®認定者など日本FP協会の会員の方は、「FPジャーナル」2022年12月号もご覧ください。FPが手がける執筆ビジネスについて詳しく取り上げられています。文章の書き方や、執筆を主な業務としているFPへのインタビューも掲載されています。
5.まとめ
ここまで、FPが活躍できる仕事として「相談」、「講演」、「執筆」の3つの業務をご紹介しました。
これらの業務はそれぞれお客さまとかかわる方法こそ異なりますが、生活とお金に関する疑問や不安に向き合って解決を図るという目的は共通しています。これからFPになろう、あるいはFPとして独立しようとお考えの方は、ご自身にあった仕事を見つけていかれるとよいと思います。
私がこれまでどのような仕事をしてきたか、主に開業から数年間の話は、独立開業してからの道のり~どのように事業を進めていったか~もご覧ください。
また、他のFPがどのような仕事をしているかを見てみたい方は、近年出版された下記の書籍も参考になさってください。