海外旅行に必要な現地のお金を準備する方法・残ったときの対処法

パスポート・搭乗券の画像 暮らしとお金
暮らしとお金

コロナ禍から徐々に以前の生活に戻りつつある中、久しぶりに海外旅行を計画されている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、海外旅行に必要な現地のお金(現地通貨)を準備する方法をご紹介します。あわせて、旅行を終えて現地のお金が残ってしまった場合の対処法もお伝えします。
旅慣れた方はすでにご存じだと思いますが、海外旅行が久しぶりだという方は改めて確認してみてください。

1.外国のお金を準備する方法~両替・ATM利用のそれぞれに利点~

パスポートと外貨

海外旅行ではクレジットカードが使えることが多いですが、現金が必要になる場合もあります。たとえば、次のようなときです。

  • クレジットカードが使えないお店を利用するとき
  • 電車・バス・タクシーなど交通機関を利用するとき
  • チップを支払うとき など

そのため、現地のお金(現地通貨)はいくらかでも準備しておくことをおすすめします。

海外旅行に必要な現地通貨を準備する方法は、「現金を両替する」「現地のATMで引き出す」かの2つです。さらにATMでの引き出しは、お金の出どころによって「キャッシング」と「プリペイドカード・デビットカード」に分けられます。

これらの方法は、それぞれにメリットとデメリットがあります。

  • 現金の両替:出発前に現地のお金を準備できるが、旅行中に多額の現金を持ち歩くことになる。
  • ATMでの引き出し:多額の現金を持っていかなくてよいが、出発前には準備できない。

これから、それぞれの方法について見ていきましょう。

ここでは、為替手数料やATM手数料について、どの店舗のレートが良いとか、どのカードがお得かといった比較は行いません。

1-1.現金を両替する

外貨両替の看板

銀行や両替所では、日本円から外国の通貨に両替することができます。
この方法のメリットは、出発前に現地のお金を準備できる点です。しかし、旅行中に多額の現金を持ち歩くことになるため、安全の面では少し心配があります。

なお、外貨への両替では手数料がかかります。通常は両替の為替レートに為替手数料が含まれていますが、現金の両替はATMで引き出すより為替レートが不利になる(為替手数料が高くなる)傾向があります。海外では、為替手数料とは別に両替するたびに手数料がかかることもあります。

1-1-1.出発前に日本で両替する

出発前に日本で外国の通貨に両替しておくと、現地で両替する手間が省けて安心です。

日本で外貨に両替する方法は、主に3通りあります。

  • 外貨宅配サービスを利用する
  • 街なかの銀行・金券ショップで両替する
  • 空港にある銀行・両替専門店で両替する

出発まで時間があれば外貨宅配サービスも選択肢に入りますが、配達まで時間がかかるため、出発直前ではおすすめできません。
銀行・両替専門店・金券ショップは、店舗ごとにレートが異なります。レートを比較して有利な場所で両替できるとよいでしょう。

1-1-2.現地で両替する

日本で目的地の通貨に両替できない場合は、現地で両替する必要があります。旅行中に現地のお金を使い切ってしまった場合も同じです。

しかし、日本から遠い国では日本円からの両替ができない場合があるほか、できたとしても為替レートが不利になります。
そのような場合に備えて、日本で一度米ドルかユーロに両替しておいて、米ドル・ユーロから現地の通貨に両替するという方法もあります(米ドル・ユーロのどちらがよいかは目的地によります)。

現地で両替する場合は、空港や銀行、中級以上のホテルなど信頼できるところを選びましょう。街なかの両替所は為替レートが良い場合もありますが、別途手数料が必要であったり、偽札が混ざっていたり、金額をごまかされたりといったこともあるようです。ただし、国によっては空港の両替所でもトラブルがあると聞きます。
いずれにしても、両替をしたときは必ず、窓口から離れる前に金額が合っているかを確認しましょう。

1-2.現地のATMで引き出す

外国のATM看板

クレジットカードやデビットカード・プリペイドカードを使えば、外国の通貨を現地のATMで引き出すことができます。
現地に行くまではお金を準備することができませんが、現地で必要に応じて引き出すことができ、多額の現金を持ち歩かなくてよいというメリットがあります。

なお、ATMでの現地通貨の引き出しには手数料がかかりますが、カードの種類によって手数料の種類は異なります。

1-2-1.クレジットカードでキャッシング

クレジットカードを持っている人は、現地のATMでキャッシングができます。
ただし、カードでキャッシングできることが条件です。下記の「キャッシングができないケース」に当てはまらないか確認しておきましょう。

クレジットカードでキャッシングができないケース

  • キャッシングの利用枠が設定されていない(0円になっている)
  • すでにキャッシングの利用枠を超えて利用している(旅行の日程が長い場合は注意)
  • カードにキャッシングの機能がない

キャッシングとは、カード会社からお金を借りることです。そのため、引き出した次の日から返済する日までの利息がかかります。さらに、1回引き出すごとにATM手数料がかかります。

多くの場合、海外キャッシングの利息は年率18%(日割り計算)、ATM手数料は220円(税込・引出額1万円超)です。ただし、これらの条件はカード会社によって異なる場合があります。

キャッシングの利息を少なくするには、帰国後に繰り上げ返済をするという方法があります。ただし、繰り上げ返済ができるかどうかはカードによって異なるため、カード会社のホームページなどで確認してください。

1-2-2.デビットカード・プリペイドカードで引き出し

現地のATMでお金を引き出すには、海外ATMでの引き出しに対応したデビットカード・プリペイドカードを利用することもできます。

クレジットカードのキャッシングとの違いは、カード会社からお金を借りるのではなく、自分の口座から現地の通貨でお金を引き出す点です。
デビットカードは銀行の預金口座から引き出し、プリペイドカードはあらかじめ残高をチャージした専用口座から引き出します。このように細かい違いはありますが、自分の口座からお金を引き出すという点は共通しています。

デビットカード・プリペイドカードについては、事前に確認しておきたい事項がいくつかあります。下記の内容を出発前に確認しておきましょう。

デビットカード・プリペイドカードについて出発前に確認しておきたい事項

  • デビットカードは海外ATMでの引き出しに対応しているか
  • プリペイドカードは初期設定(カードの有効化、アクティベート)ができているか
  • 預金口座またはプリペイドカードの専用口座に残高があるか
  • 暗証番号を覚えているか

デビットカード・プリペイドカードでの引き出しは、自分の口座からお金を引き出すので利息はかかりません。ただし、為替レートに手数料が加算されるため、クレジットカードのキャッシングに比べてレートが不利になる場合があります。

為替レートに加算される手数料の率は2%~5%、ATM手数料は1回200円程度の場合が多いようです。このほか、現地の金融機関による手数料がかかる場合もあります。ただし、これらの条件は銀行やカード会社によって異なります。

なお、デビットカード・プリペイドカードでは、外貨預金(または外貨建ての専用口座)から引き出しができるものもあります。為替レートの予測は難しいですが、円高の時に外貨に換えて預けておいて円安の時に引き出すことができればお得になります。

1-2-3.現地ATMの使い方

ATMの使い方は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードでおおむね共通しています。
デビットカード、プリペイドカードも、クレジットカードの国際ブランド(VISA、Mastercard、JCBなど)がついていれば、クレジットカードと同じように利用することができます。

ただし、海外のATMは、日本のATMと操作の順番や方法が異なる場合があります。

日本ではATMにカードを差し込むと取引が終わるまで戻ってきませんが、海外のATMではカードを差し込んですぐに取り出す場合があります。

当たり前ですが、海外のATMは現地の言葉か英語で表示されます。日本語が表示できる機種もありますが、基本的には英語を読む必要があると考えておきましょう。

海外のATMを初めて利用する場合や久しぶりの場合は、銀行やカード会社のホームページで操作方法を確認しておきましょう。

「クレジットカード」と「デビットカード・プリペイドカード」では、ATMの操作方法はおおむね共通していますが、「SELECT SOURCE ACCOUNT」(口座選択)または「取引選択」の画面で選ぶ項目は異なります。

  • クレジットカード:CREDIT(またはCash in advance)/キャッシュサービス
  • デビットカード・プリペイドカード:SAVINGS/普通預金引出

ATMを利用するには暗証番号が必要です。心配な人は早めに銀行やカード会社に確認しておきましょう。デビットカードと銀行のキャッシュカードが1枚になっている場合は、普段預金を引き出すときの暗証番号とは異なる場合があるため、特に注意が必要です。

1-2-4.ATMは空港など施設内で利用

海外でATMを利用するときは、空港やホテル、銀行などの中にあるものを利用することをおすすめします。海外では、建物の外側などでATMが道路に面していることも多いですが、お金を引き出しているところを人に見られるため、そのような場所での利用は控えた方がよいでしょう。

また、海外に限りませんが、ATMではカードから不正に情報を抜き取るスキミングが多発しています。スキマー(読み取り装置)や、暗証番号の入力を盗撮するカメラが精巧にATMに仕掛けられる例もあるようです。そういった点でも、できるだけ安全な場所を選んで利用しましょう。

2.現地で残ったお金はどうすればよいか

外国のお金

旅行が終わって帰国するときに困るのは、現地で引き出したお金が残ってしまった場合です。
日本に持って帰ってもほぼ使えないので、できるだけ残らないように使ってしまうのが理想です。それでも残る場合は、帰国前に両替するか、次に行くときのために取っておくかのどちらかしか方法はありません。

外貨をATMから引き出した場合は、預け入れもできるのではと思われるかもしれませんが、現地のATMで外貨の預け入れ(入金)はできません。

2-1.帰国前に両替する

紙幣であれば、外貨から日本円に両替ができます。ただし、通貨によっては日本に帰国してからでは両替ができないかもしれません。できるだけ帰国前に現地で両替を済ませておきましょう。日本円に両替できない場合は、米ドルかユーロに換えておくと良いでしょう。

コイン(硬貨)は基本的に両替ができないので、現地で使ってしまうか、空港にある募金箱に入れるなどしましょう。

なお、対応している通貨は限られますが、日本でも外国の硬貨を受け入れる両替機が置かれています。日本円の現金にはならず電子マネーにチャージすることになりますが、残った外貨の新しい交換方法として知っておくとよいでしょう。

Pocket Change(ポケットチェンジ) https://www.pocket-change.jp/ja/

Pocket Change
ポケットチェンジは、海外旅行の際に余った外貨を、希望の電子マネーや、各種ギフトコード、クーポン等に両替できる日本初の画期的なサービスです。

2-2.次に行くときのために取っておく

無理に日本円に戻さないで、次に旅行に行くときのために外貨を取っておくのも一つの方法です。米ドルやユーロは流通している範囲が広いうえ、他の国の通貨に両替しやすいことから、手元に置いておいてもよいでしょう。

また、金額がわずかであれば、旅の思い出に取っておくのもよいでしょう。

3.現地のお金の準備は計画的に

ここまで、海外旅行に必要な現地のお金の準備方法と残ったときの対処法をお伝えしました。

外貨の両替や引き出しには手数料がかかるため、手数料の分だけお金の価値は減ってしまいます。しかし、手数料の安さだけに着目するのではなく、安全で信頼できるかどうかも考慮して両替する場所やATMを選ぶようにしましょう。

また、現地のお金が残ってしまうと、結果として日本円→外貨→日本円という両替をすることになります。為替相場に変動がなくても、2回分の手数料がかかって損をしてしまいます。一方、ATMで少額の引き出しを繰り返すと、利用のつど手数料がかかって損をする場合もあります。
現地通貨の両替や引き出しは、計画的に行うことをおすすめします。


当サイトでは、できる限り正確な情報を提供するように努めております。しかしながら、誤りまたは古い情報が掲載される可能性が全くないとは言い切れず、正確性や安全性を完全に保証することはできません。当サイトに記載されたコンテンツや情報によって生じた損害等の一切の責任は負いかねますのでご了承ください。

はやぶさFP事務所
タイトルとURLをコピーしました